第15回 癌性悪液質について

ハマちゃン あのサー
癌ができちゃった子ってサ
よく痩せてくるよネ
なんでなのかナ?
実はね、癌が栄養を奪ってしまうんだ。
エーー!
せっかくたべた僕のオヤツガ
癌にとられちゃうノ!?
むっ?おやつ?・・・。
実はそれだけじゃなくて、
体の代謝がおかしなことになっちゃうからでもあるんだ。
タイシャ!?
むずかしい言葉だネ
代謝はね、簡単にいうと
ハーバーがおやつを食べて、元気になることだよ。
そんなあたりまえのこト
いつでもできまス
癌の子で起きる代謝の変化は主に2つあるんだ。
・炭水化物(糖分)はあげるだけ痩せてしまう
・骨格筋などの筋肉を分解していく
どういうことかというと、
2つとも癌の成長に関わっているんだ。
癌は糖分と蛋白質が大好きで脂肪をうまく利用できない。
腫瘍の影響で体がこの栄養をうまく利用できなくなるんだ。
だから、それを考えた食事にしなければならないんだ。
脂肪ばかり食べれバ
癌は小さくなるのですカ!?
でモ、
それだとベイ君になってしまいまス!
すべての癌が脂肪の代謝が苦手というわけではないから
一概にはいえないんだよね。
でも、脂肪とはいっても一部の脂肪酸が腫瘍に効果があるわけであって
ただ単に脂肪だったらなんでもいいわけでもないんだ。
そういえばベイ君のダイエットは、その後はどうなったんだろうか?
いってくれれバ
いつでもベイ君のオヤツは食べてあげまス!
癌を持っている子は、
痩せていなくても既に代謝の変化が起きていることが多いので
体重が減っていないからと言って
こういった代謝の変化が起きているわけではないんだ。
それはは癌を治療した後でも続くものがあるんだよ。
癌を持っている子ガ
一番食べちゃいけなイ
ゴハンってなんだロ?
癌の栄養で重要なのが特に糖分なんだ。
なぜかっていうと糖分を癌自体が代謝して、
体に不必要な乳酸ができるんだよ。
すると、体は多くの乳酸を代謝しなくてはならないから、
糖分を取ると、余計に痩せてしまうんだ。
エッ!
オヤツはだめですカ!?
だから、できるだけ糖分を含む食事は
癌をもっている子にはあげてはいけないんだよ。
食べれば栄養になるだろうと思ったら、
糖分は逆効果で、吸収できるカロリーよりも
癌に吸収されるエネルギーや
乳酸の代謝で消費するエネルギーのほうが
多くなってしまうんだ。
ボクはオヤツを食べれば食べるだケ
体の栄養になるのニ
癌を持ってたラ
どんどん栄養がなくなってしまうのですカ!
こういった状態に陥って、
どんどんやせていく状態を「癌性悪液質」というんだよ。
実は細かく言うと、
代謝の変化が始まったらもう障害が始まるわけだから、
やせる前から悪疫質は始まってるんだ。
乳酸といえバ
おいしい「ヤクルト」が大好きでス
それは乳酸菌でしょ。
ちなみに乳酸が体に多くなってくると、
血液が酸性に傾いて体の調子がどんどん悪くなるんだ。
だから、腫瘍のある体に乳酸を補給してはいけないんだよ。
だから輸液剤も乳酸リンゲル液とかは使わないで、
酢酸リンゲル液や生理食塩水、5%ブドウ糖液などを使うんだ。
体が乳酸を処理するのに大変なのに、
乳酸を足したら体に余計に負担をかけることになるからね。
そういえバ
筋肉が減ってゆくって言ってたけド
どういうことなノ?
腫瘍はエネルギー源として蛋白質を優先的に使う傾向があるんだ。
だから筋肉がどんどん減ってくんだ。
また糖を利用するときにもあるアミノ酸を使うので、
免疫や消化、キズの治り具合などに影響してゆくんだ。
だから、不足になるアミノ酸は補給するべきだね。
いままでの話だト、
オヤツが一番のご飯だネ!
いや、いままで何を聞いてたのさ。、
 ・糖分が少ない
 ・蛋白質が適量に含まれている
 ・脂肪酸が多く含まれている
ご飯が腫瘍にはいいんだよ。
どんな蛋白、脂肪酸がいいか、とかは獣医さんに相談だね。
腫瘍のある子に適切な療法食はあることはあるんだけど、
かなり高額になってしまうから現実的には無理なんだよね。
だから、大変だけど手作りをする場合もあるんだよ。
食べてくれればの話だけど。
こういうのも獣医さんに相談だね。
ボクはいっぱいオヤツを食べまス!
いまのうちに食いだめをしておきまス!
ハマちゃんのオヤツも安心してくださイ!
食べてあげまス!
それじゃぁまるでハーバーが腫瘍みたいじゃないか。
ぼくの栄養(オヤツ)を奪われてしまう・・・
○次回予告○
最終回(予定)「新しい腫瘍の治療法について
です