第16回(最終回) 新しい腫瘍の治療法について

ねーハマちゃン
いままでいろんな腫瘍を解説してもらったけド
治療法って基本的にハ
 外科療法、化学療法、放射線療法
の3つがあるじゃなイ
研究されて新しい治療法は開発されてないノ?
実は、いろいろと研究されているんだけど
まだまだ3大療法と比べて成果の出ているものは無いんだよ。
でも、効果が無いわけじゃないから
これからの研究成果に期待するのが一番だよ。
どんなものがあるのかナ?
美味しいかナ!?
いったいを期待してるのさ・・・。 
簡単に説明するよ。
まずは免疫療法
これは、免疫を特殊な方法で増幅させて腫瘍を退治してしまおうという
方法なんだよ。
免疫ですカ
免疫ってボクらが打ってるワクチンみたいな物ですカ
ボクにとっては、オヤツが免疫ですガ!
免疫療法はその免疫自体がとても複雑なので、
非常に研究が大変な分野みたいだよ。
現時点で免疫療法を行っている病院もあるけど
毎月数十万かかってしまう治療法だし
効果もそれに見合ったものがあるかどうかはわからないんだよ。
すう十万・・・
ボクならオヤツたくさん買いたいでス
治療では、どうやって免疫のおしりをペンペンしてるのかナ?
サイトカインという免疫の刺激物質をうまく利用して
腫瘍細胞に対する免疫反応を増強させるんだ。
その抗腫瘍作用を持たせるのは白血球だよ。
方法としては、
・自分の白血球を培養して、免疫反応を増強させる方法
・サイトカイン自体を注射して白血球を増強させる方法
・遺伝子治療でサイトカインを腫瘍細胞自体に埋め込んで、腫瘍自体が腫瘍に対する免疫活性化する方法
・上と似たようなものだけど、腫瘍細胞を取り出して、それに対してサイトカインを埋め込んでまた戻すという方法
いっぱいありすぎテ
頭がこんがらがってしまいまス
そりゃそうさ。僕だって詳しくは分かってないんだから。
一例しか挙げなかったけど、
最近の文献を調べればもっとよい方法も開発されているかもね。
細かいことはよくわからなかったけド、
癌に対する免疫をつよくさせテ
白血球に癌を食べてもらうほうほうだネ!
その通り。
これから効果の面でも費用の面でも実用レベルになるといいね!
他には何があるのサ
今日のオヤツはナンなのサ!
え〜と、今日のオヤツは・・・
じゃなくて、次の話するよ。
血管新生抑制療法
血管新生抑制療法!?
ハーバーの周りにオヤツがたくさんあったら
どうする?
一瞬で全部のオヤツを独り占めしまス
でも、口はひとつしかないんでス
ところが、
癌細胞は栄養源である血管に働きかけて
新しい血管をつくり自分につなげることが出来るんだ。
オヤツから近づいてくれるなんテ
とてもうらやましいでス
新しい血管を作れ!って刺激物質が出てくるわけなんだけど
それに対して抗血管新生薬がいろいろな種類が開発されてきてるんだ。
薬ではなく初歩レベルのサプリメントとして有名なのが
サメの軟骨とかなんだよね。
でもあくまでサプリメント。
アガリクスとかと一緒で過度な期待はできない。
だからこそきちんと効果の期待できる薬の存在が必要になるんだよね。
アガリクス!?
いろいろと騒ぎがありましたガ
ボクはオヤツ食べてましたヨ!
でもね、この治療法自体はすでに出来た腫瘍の血管を
抑制して"減退"させる効果は低いから、
あくまで腫瘍のこれ以上の進行を遅らせたり
転移する癌細胞の成長を抑制するのに効果があるわけなんだ。
これもまた、まだまだ研究されている分野なんだよ。
まわりのオヤツを食べつくすのも大変なことでス・・・
次は遺伝子治療だよ。
これもまたとても複雑だから簡単にしか言わないけど、
ウィルスや細菌を使ったりして、腫瘍に対する遺伝子を埋め込むんだ。
それはさっきの免疫療法でも使う分野でもあるし
腫瘍の自殺を促したり、癌細胞の異常な部分を正常に戻したり、
抗癌剤に対する効き目がなくなってきたのを戻したり。
遺伝子治療の効果ってたくさんありますネ
ボクの子供ができたラ
オヤツ遺伝子は受け継ぎたくないかラ
遺伝子治療で子供がオヤツ嫌いになるようにして欲しいでス
でも、遺伝子組み換え食べ物でも言われてたけど、
安全性でいろいろと問題があるんだ。
特に遺伝子を組み込むためのウイルスが腫瘍を誘発しないかとか
遺伝子突然変異で危険なものが出来たりしないかという
問題が言われているよ。
どんどん研究が盛んに行われている分野だからこれも将来に期待だね。
ボクの場合ハ
オヤツを食べるときにすばやく食べられるようニ
遺伝子治療してほしいでス
そうすれば、ハマちゃんのオヤツもすばやく食べられまス
ちょ、ちょっと。
ボクのオヤツ奪わないでよね。

次は光力学療法 についてだよ。
光!?
ヒカリで癌を退治するのですカ?
そうそう。
増感剤という特殊な光のエネルギーを吸収しやすい薬剤を使って
腫瘍を殺すんだけど、
その増感剤が重要なんだ。
どういうことですカ?
腫瘍に吸収されやすく、
正常組織には吸収されにくい増感剤じゃないといけないんだよね。
もちろん、副作用も無いようにしないといけないし。
だから、その研究が盛んに行われているんだ。
つまり、光のエネルギーヲ
癌に集中させテ
やけどさせちゃうんだネ!
そういうことなんだ。
これも結局研究段階だけど、
腫瘍自体に絞って殺すという効果にかんしていえば、
非常に大発明なんだよね。
抗癌剤や放射線は正常細胞もだいぶやっつけてしまう。
でも、これは腫瘍に集中してやっつけてくれるんだ。
すごいほうほうでス!
でもね、現状表面にある腫瘍にしか効果がないから、
皮膚や皮下にある腫瘍でないといけなかったり、
手術中に光をあてたりしないといけないんだ。
そしてなによりも増感剤が高い。
体重によっては、1回で放射線療法全部の値段がしてしまうことも。
エエー
オヤツしばらく禁止ですカ!?
もちろん禁止になるだろうね。
まぁ、全体的に新しい治療法は結構な金額がしてしまうよ。
あとね、光力学療法のいやなところとして
腫瘍細胞は抗がん剤治療よりも早く再増殖してしまうんだ。
だから、治療のしかたによっては、頻繁に行わなければならないんだよ。
・・・
オヤツもっと禁止ですカーー!
更に腫瘍細胞が急速に破壊されると、
腫瘍近辺の血管がおかしくなったり、血栓ができやすくなってしまう。
増感剤の副作用や動物による相性の問題もあるらしいよ。
いい治療法みたいだけド、
全部完璧な治療法ってなかなかないネ
なにより、費用の面や症例数の面で
新しい治療法は研究がなかなか進まないんだよね。
今回紹介した治療法のほかにも、
また数年で新しい治療法ができるかもしれない。
ねー、ハマちゃん
あと数年でいい治療法がみつかるといいネ
数年もすれば、ボクは立派なオヤツ博士になれるかナ?
そ、それは
オヤツの研究をする前に
僕のおやつをたべつくされないか心配だ。