本文へスキップ

埼玉県さいたま市、武蔵浦和にある犬と猫の癌・腫瘍・がんの治療と循環器内科(心臓病科)に力を入れた動物病院です

TEL.048-839-5704

〒336-0032 埼玉県さいたま市南区四谷3-7-5

治療例コラムmedical Treatment

胆嚢炎〜胆嚢粘液嚢腫

循環器科  胆嚢炎・胆嚢粘液嚢腫は胆嚢の中の炎症が波及することで周囲の肝臓や胆管などに悪影響を与える疾患です。この病気は非常に複雑で、確実な診断方法は生検のみです。
 よって、複数の検査を組み合わせて診断をすすめてゆきます。
 近年、特に老犬において制御不可能な炎症を起こし命を落とす、胆嚢炎由来の肝臓や周囲の臓器における炎症をよく診ます。よって初期、そしてより若齢のうちに対処をする必要がある疾患といえます。
 とはいえ、確実に将来命に係わる疾患ではなく、また指針もないために経験則に従った治療や予防、そして早期の胆嚢切除が必要ではないかと私は考えています。

検査

検査  胆嚢の異常事態は超音波によって確認が可能です。

 胆嚢の中にコレステロールの塊である胆泥が進行性に貯まる胆泥症は代表的な病態ですが胆泥=胆嚢炎ではないために超音波だけでは全体の病態把握は不可能です。
 よって、ほかに血液検査やレントゲンなどを併せて総合的な判断や経過観察が必要です。

治療

治療  胆嚢疾患の基本は。内服薬による維持です。しかし内服薬だけで引っ張ると、肝臓自体へと胆嚢の炎症による毒素(主に胆泥内に住みつく細菌による代謝物)が原因でおこる、胆汁性肝炎が原因で慢性肝炎へと移行することがあります(この肝炎は一生治ることはありません)。胆嚢疾患の背景には門脈圧亢進症由来の後天性門脈シャントなどが潜んでいることがありますが、後天性の場合はシャント血管を画像診断で見つけることは困難です。
 胆汁性肝炎がおこると肝機能の低下に至り、肝硬変に近い状態になり肝臓が萎縮することがあります。
循環器科
 以上の事から、悪化要因として胆嚢炎による胆汁性肝炎があります。そこで胆嚢の炎症状態によっては早期に手術をすることで肝臓への影響を最小限にし、寿命まで肝炎によるトラブルを減少させます。
 また、胆嚢炎の延長上にある直接死因となる胆嚢破裂、胆管閉塞によるエンドトキシンショックなどの予防も手術の目的です。
 胆嚢摘出は早期に行うことで手術難易度がさがりますが、内科治療で引っ張りすぎた状況での手術は癒着や破裂により難易度が増し、手術により死亡する可能性も出てきます(その場合は結局手術をしなくても死亡します)。
↓ユーチューブで当院での早期胆嚢摘出手術の様子がみれます。

 明らかな重度胆嚢炎や胆嚢の破裂跡、胆嚢粘液嚢腫などが画像診断で判断できる以外では、早期手術介入の判断は難しく場合によっては肝臓生検による組織診断が必要になる事があります。

診療科目診療科目

・各種予防    ・内科
・呼吸器科    ・循環器内科
・消化器科    ・歯科
・腫瘍科     ・外科/整形外科
・皮膚科     ・眼科
・神経科