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(株)武蔵浦和どうぶつ医療センター 南埼玉どうぶつ病院 武蔵浦和駅動物病院 犬と猫の癌・腫瘍・がんの治療と循環器内科(心臓病科)に力を入れてます

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治療例コラムmedical Treatment

乳腺腫瘍・乳腺混合腫瘍・乳腺癌

循環器科  乳腺腫瘍は、未避妊雌でよくみられる腫瘍のひとつです。 様々な要因が言われていますが、卵巣から出る女性ホルモンが乳腺を刺激することで発生率が上昇するために、 早期の避妊手術でほとんどの乳腺腫瘍を予防することが期待できます。
 犬では悪性である可能性が50%程度であり、乳腺癌や悪性乳腺混合腫瘍では腫大化するまえに手術をすることで完治の期待がもてます。 しかし猫ではほとんどが悪性である割合いが70〜80%におよび、更に犬と比較して悪性度の高い癌である可能性が高くなってきます。 よって猫においては早期の手術が必要になってきます。
  まれに非常に悪性度の高く浸潤性が高い、いわゆる「炎症性乳癌」というものもあります。こちらは腫瘍が速やかに広がってゆくため、相当初期でない限りは外科非対応な腫瘍です。

検査

検査   乳腺腫瘍は基本的には第一選択としては手術で治療を行います。治療前にまず、腫瘍かどうかの術前診断として細胞検査、状況により一部を切除する組織検査を行います。 細胞検査の結果は即時出ます。ただし、細胞検査だけでは腫瘍の悪性良性の完全な診断は不可能です。 また悪性腫瘍細胞の広がりを推測するため、3o程度の腫瘤をみつける胸部レントゲン検査や超音波検査による乳腺付属のリンパ節の腫大を確認し手術範囲を考えます。 そのほか腫瘍の合併症や全身状態確認のために血液検査も行います。 CTスキャンによる肺転移の確認も併せて行うと理想的ですが、高価である点や1o以下の転移はみつからない点から 希望されない限りは行っていません。
壊死した乳腺腫瘍
 この写真のように巨大化した場合でも悪性とは限りませんので、壊死を起こし全身状態が悪化する前に手術を行う必要があります。巨大化しすぎると、切除したあとの皮膚形成手術が困難になります。

治療

治療  手術の方法は手術で取り去る範囲により多岐にわたります。皮膚が足りなくなるような場合は難易度が変わり、皮弁術やメッシュ形成などの特殊な皮膚形成手術が必要になってきます。
手術
 手術適応と判断した場合、よほど小さな乳腺腫瘍単発でない限りは、基本的には再発も考慮した片側乳腺全摘出を行います。
片側全摘出
 両側全摘出を行った場合は術創が裂ける可能性があるために、両側に発生した巨大腫瘤の場合は時間をあけて2回にわけて手術を行う場合があります。その場合でも片側全乳腺摘出に加えて大きな腫瘤は皮膚に余裕がある限りはなるべく摘出を行います。
 また肺転移が確認できてない前提で、超音波検査にてリンパ節が腫大してた場合や猫の巨大な乳腺腫瘍の場合はは同時に付属のリンパ節を切除する場合がありますが、
リンパ節
 その効果については議論されているために将来は行わなくなる可能性もあります。腫大していないリンパ節は発見がむずかしく、切除が非常に困難です。

 転移が予想される場合は、念のために術後に抗がん剤治療を行うことで長期維持も期待できます。特に猫で初期病変以外では抗がん剤治療はおすすめしています。
 その他分子標的薬などもありますが、確実に効果が期待できるわけではありません。しかし通常の治療により効果が期待できない場合などに使用することもあります。

診療科目診療科目

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