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雄猫では様々な原因により尿道が狭くなり、炎症性物質や膀胱の垢、血液の塊、尿路結石や砂などが詰まることがあります。 尿道閉塞が繰り返し起こる場合は、尿道をひろげる手術が必要になってきます。それを会陰尿道瘻と呼びます。かつては尿道を切開し皮膚と直接縫い付ける方法が主流でしたが、術者の手技により合併症が多くみられました。現代では包皮粘膜を使用した合併症の少ない、難易度の高くない手術が様々な動物病院でおこなわれています。 尿道が狭くなる原因に、交通事故による尿道損傷や手技の慣れていない動物病院での閉塞時のカテーテル処置時の、尿道損傷もあります。その場合は通常の手術では尿道が狭い状態は改善しないため、より深部における高度な手術が必要になってきます。まれに当院でのセカンドオピニオンで再手術になることがあります。その際は通常よりも奥で広げる手術を行う必要があります。 さらなる尿道の重度損傷があった場合は、より高度な手術が必要になる場合があります。 |
超音波検査において、膀胱や腎臓などの確認を行います。 尿道閉塞では、膀胱の中が尿で充満し尿道も拡張していたり、尿管を通して腎臓が拡張を起こすことがあります。 腎臓まで影響がおこる事で、腎臓における尿の生成が困難になり体内に老廃物が貯留する尿毒症に至ります。 よって、超音波検査のほかに血液検査やレントゲンなどを併せて総合的な判断や経過観察が必要です。 |
再発する閉塞に対しては手術が必要です。基本的には尿道を広げることにより詰まりにくくなります。 初回の尿道閉塞でいきなり手術をすることは非常にまれです。しかしカテーテル処置における医原性の損傷があった場合は、初回でも尿道が狭くなることが多くなります。 何度も閉塞を起こして損傷した尿道や医原性にカテーテルにより損傷を起こした尿道の場合、通常より奥(尿道球腺付近)での手術を行わないと狭小化は解決できないために、手術を行っても何度も閉塞をすることになったり、猫本人が痛みのために気にして何度も舐めるなどの状況になる事があります。 2010年頃から主流である、包皮粘膜を使った会陰部尿道瘻が合併症もほとんどなく終わります。逆に包皮粘膜を使わない手術を行うと、尿やけによる合併症を予防するために、術後のケアが必要になります。 写真でわかるように、6-0や5-0といった通常より大分細い糸での手術が必要となりますが、手術自体の難易度は高くはありません。術部の尿による炎症を防ぐために、カテーテルをいれたまま一週間程度の入院後が必要になります。 |